2020.09.14

急成長する組織の課題に向き合う、組織開発ユニットとは(後編)

経営企画室 組織開発ユニットのマネージャーである吉本 猛さんに、急成長する組織に起こりうる課題に向き合いながら、社員全員のパフォーマンスを発揮できる組織作りについてお話を聞く後編。

前編で吉本さんからお話があった”オンボーディングができているかどうかの定点観測をする取り組み”について詳しくお話を伺いました。

前編を読む→急成長する組織の課題に向き合う、組織開発ユニットとは(前編)

 

”社員のリアルな声”を元に作られた、新たな施策

――前編でもおっしゃっていましたが、メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮できるための施策を新たに作ったとのことで。

吉本:はい。それが“エンプロイーベルスコア”です。

前編でも言ったように、人数が増えていくにあたり、オンボーディングをしていく上で本当に過不足ない研修ができているか、パフォーマンスを発揮するために必要な環境が提供できているか、といったところをきちんとチェックする必要がでてきました。

会社理解やビジョン・ミッション・バリューの理解がしっかりされていないと、パフォーマンスの発揮は難しいと考えています。

ハイパフォーマーがよりパフォーマンスを発揮するために必要な要素をリスト化し、その充実度合いから社員のオンボーディング状況を定点観測し可視化するのが“エンプロイーベルスコア”です。

▲エンプロイーベルスコア一部抜粋

――全23項目ありますが、この項目はどの様に作られたんでしょうか?

吉本:スコアの項目を作っていく過程で、1つ1つ組織開発ユニットだけで考えて作ったわけではないんです。

まず、エンプロイーベルスコアを作る前に“エンプロイージャーニーマップ”というのを作りました。採用前から入社後6ヶ月の間に、社員の心や業務にどういった変化が想定されるかというのを洗い出し、理想の動きを凝縮させたマップです。

▲エンプロイージャーニーマップ一部抜粋

吉本:最初は組織開発ユニットがある経営企画室にて直近で入社された方々がいらっしゃったので、その方々に改めて選考当時や入社当時のことをイメージしながら「こういうのがあったらもっとパフォーマンスを発揮できたよね」という内容を聞いていきました。

他にも、人事以外で直近1年以内に入社され、現在パフォーマンスを発揮されている、なおかつバリューの体現も高いという十数名に対して、「今改めて振り返った時に、これがあればもっとパフォーマンスを加速させることができたのに」と思ったことや「最初にてこずったこと」を率直にインタビュー形式でヒアリングしました。

――“これからパフォーマンスを発揮する人”と“すでにパフォーマンスを発揮されている人”の2軸からこれらの項目はできたということですね。

吉本:そうですね。現場の方々をはじめ、色々な方に協力してもらいました。だからこそ、リアルで具体的な言葉が並んでいるのが特徴のスコアだと思っています。

 

全員が最高のパフォーマンスを発揮するための指針として

――定点観測として、このスコアをメンバーから取っていくとのことですが、これらの項目を毎回見ることによって私達メンバー側も改めて会社が求めていることの認識ができそうです。

吉本:このスコアは例えると”レーシングカーの設計図”の役割を持っているイメージです。パーツ1つや2つ無くても走りはするけど、本来持っているエンジンの性能やスピードが出ない。

採用していく時点で「この人はすごい力がある」とか「きっとやってくれる」と信じて採用しています。事実その力を持っている方々なんです。

本来なら時速何百キロでこれだけの長距離を走れるはずなのに、その力をベルフェイスで発揮できていないとしたら、必ずなにか要因があるんですよね。パーツが足りなかったり、部品が傾いているとか、そういう何か力を発揮する上で足りないものがあるからだと考えています。

なので、パフォーマンスを発揮するための設計図であるこのスコアをもとに足りないものを洗い出す役割があるんです。

――設計図の役割を持つベルスコアを見て、項目が全て揃った時に、人は最大限の力を発揮できるということですね。

吉本:レーシングカーを個人と例えると、働く場所・先輩・色々な人との関わりなどの環境面がパーツとして埋めていかれ、パフォーマンスを最大限に発揮でき、走ることができます。

F1のレースで走っていて急に遅くなったり、急に煙を出したりしてピットインし、整備士が集まって直していく。こういったオンボーディングの繰り返しが重要だと思っています。

「ここのパーツが足りない、不備がある!」となった時に、そこを直して送り出す。

エンプロイーベルスコアは、そのようにいち早く直して送り出すことを最速でできるようにする指標の一つです。

 

データの可視化にこだわる理由

――そのパフォーマンスを最大限に発揮するための要素(パーツ)一つひとつをベルスコアによって可視化することができれば、スコアが低い部分を会社でフォローし合うことができますね。

吉本:このエンプロイーベルスコアの運用面での理想は、スコアをGM/マネージャーと共有して追っていく形にし、人事とGM/マネージャー双方からメンバーのパフォーマンスを最大限発揮できるように協力し合うことです。

人事だけがこのスコアを把握していても、もっと粒度の細かい現場でのフォローが必要になってくることもありますし、GM/マネージャーが自部署のメンバーのスコアを把握することで、よりハイパフォーマンスの精度は上がっていくと思います。

それを実現するために、あえて見える化が難しいとされている“メンバーの状態を可視化“することにこだわりました。

共有する上で一番把握しやすいのがエンプロイーベルスコアのようにスコア化することです。

今後は、この可視化されたデータを元に色々な施策が出来上がっていきます。

オンボーディングだけでなく、ハイパフォーマーのメンバーがよりハイパフォーマンスを発揮するグロースのプランも出来上がっていく。

また、一度オンボーディングされていたはずの人が、コンディション不良になった場合に再オンボーディングするなど、こういったことも考えていけないといけません。

そこをちゃんと定点的なスコアで見ていき、データに基づいた施策を打つことができると良いなと思っています。

ーーありがとうございます。では、最後にひと言お願いします!

吉本: まだまだスタートしたばかりではありますが、皆さんがよりパフォーマンスを発揮できるように取り組んでいきますので、引き続きよろしくお願いします!

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