2020.12.28

取締役は何を思う? 激動の2020年だからこそ見えた、次の成長を目指すための打ち手

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 52億円の資金調達に始まり、従業員数が約100名から約300名に拡大するなど、大きな変化があった2020年。

 COVID-19の影響で「オンライン営業」が当たり前になるなど、組織も市場も変わり続ける状況に対して、ベルフェイスはどのように向き合っていくべきなのでしょうか?

 今回は、取締役である西山さんに、「2020年の良かったこと、改善点」「あるべき組織の姿」「目指すべき方向性と打ち手」について、お話を伺いました。

 

「オンライン営業」が普及した市場と向き合う

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ー まずは、2020年を振り返ってみての率直な感想をお伺いしたいです

西山

 事業サイドで考えると、やはり感じるのは「オンライン営業」というマーケットが5年くらい先に進んだことです。

 これは事業の数字面だけではなく、ご契約いただいた企業様の顔ぶれなどを見ても感じます。

 特に大きかったのは、これまで導入が進んでこなかった業界や企業様から多くの相談をいただけたことです。

 昨年までの『bellFace』の顧客はいわゆるイノベーターやアーリーアダプターと呼ばれる層でしたが、アーリーマジョリティ層にもご利用いただけるようになっています。

 その中でも、特に増えているのが、金融業界や不動産業界での利用です。

ー この変化によって「オンライン営業」はどのように拡がりを見せるのでしょうか?

西山

 COVID-19の影響は私たちの想像をはるかに超えるものでしたし、ここまでオンライン営業が普及する年になるとは思ってもみませんでした。

 ただ、オンライン営業が普及しても、訪問型の営業を継続する企業が多数を占めると考えています。

 もちろん、完全にオンライン営業に切り替える会社も出てくるとは思いますが、業態や企業によってバランスは異なりますし、多くは訪問と組み合わせて活用を進めていくはずです。

 ただ、市場は今後拡がっていく余地が大いにあります。

ー 事業拡大をしていくうえで、鍵となった施策は何だったのでしょうか?

西山

 営業面でいくと、大きかったのが直販だけではなくアライアンスを通じたパートナー施策が拡大したことです。

 特に、SMBCグループ実施のテレワーク導入支援プログラムに参画させていただいたり、セールスフォース社との提携など、大型のアライアンス施策はベルフェイスにとって大きな追い風となっています。

 また、これらのアライアンスを通じて、大型案件の獲得が進みました。

 昨年までは、規模の大きい案件で数十〜数百IDだったのですが、今年は数万ID規模の導入検討にまでスケールしています。

 日本を代表するBtoB SaaS企業になるためにも、この規模の案件を継続的に獲得していくことが大事ですし、来年以降もエンタープライズ領域への進出は注力していきます。

ー やはり、エンタープライズ領域への進出はBtoB SaaSにとっては大事ですよね

西山

 そうですね、エンタープライズ領域に拡大進出できるかどうかは、かなり大事です。

 そのためにも、ここでは詳細は話せませんが、エンタープライズ領域の営業戦略は既にこの領域で成功している企業様での事例を参考に、大きく舵を切りました。

 大きな面を取るためには、これまでとは違う戦い方をしていかなければならないとも反省した1年でしたね。

 

小さな池から大海原へ

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ー 反省という言葉が出たので、2020年に感じた課題についてもお伺いさせてください

西山

 こちらの記事でも言及されていますが、解約が増えたことが課題として浮き彫りになっています。

 さらに、解約の中身についても、『bellFace』ではないツールでオンライン営業を継続するというものがほとんどでした。

 ここから見えてくるのは、マーケットが拡がったことから、一般的なWeb会議システムと比較されるようになったということです。

 これまでは小さな池で戦っていたのが、いきなり大海原に投げ出された感覚を持っています。

 ただ、勝負する領域が大きく拡がったということは、解約も増えましたが、もちろん新規でご契約いただける企業様も圧倒的に増加していることを意味しており、総じて追い風が向かい風を大きく上回っていることも間違いのない事実ではあります。

 だからこそ、次に狙っていくターゲットを間違えないことが大事です。

ー ターゲットはどのように決めるべきなのでしょうか?

西山

 常にどのターゲットを狙うべきなのか考え続けていますが、ポイントは「その領域の負が大きいこと」にあります。

 加えて、その負を『bellFace』で解決できること、マーケットのポテンシャルも重要です。あとは、その業界における影響力も考慮すべきかなと。

 これらの要素が揃っている企業をターゲットとして、ABM(Account Based Marketing)を進めています。

ー これらの戦略を進めていくためには、何が大事なのでしょうか?

西山

 前提として、ベルフェイスは2020年に入って約100名から300名を超える組織に成長しており、優秀な方々にジョインいただきました。

 しかし、組織として新しいメンバーを受け入れる準備が足りなかった部分が多かったなとも反省しています。

 特に、リソースの配分はもっと最適化できたと感じます。

 

2020年に見えた事業と組織の課題

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ー 組織のリソース配分はどうすべきだったのでしょうか?

西山

 会社全体として考えて、大きな売上に繋がる場所にリソースを配分すべきです。

 そのうえで、組織の全体最適を目指していくためには、事業のユニットエコノミクスも考慮しなければなりません。

 そういえば、この話はGrowth Business Group(従業員数1,000名未満の企業を対象とした部署)を統括する澤口さんの取材でも話されていましたね。

 そう考えると、私が管掌するエンタープライズグループは顧客単価が格段に大きくなることが見込まれるので、新しいターゲットにアプローチしていくためにも、リソース配分を増やしたほうが中長期的には良いのかなと感じています。

ー 事業と組織の課題について、それぞれどのように解決していくのでしょうか?

西山

 事業面に関しては、新しく決めたターゲットに対して、アプローチを強めていくべきです。

 エンタープライズ領域へのアプローチを効率的にするために、よりアライアンスを強化していくことも必須だと考えています。

 また、『bellFace』が企業の業務フローに組み込まれることを意識しなければなりません。顧客のインフラとなるためにも他社ツールとの連携は加速させていきます。

 加えて、まだ話せないのですが大きなプロジェクトも進めているので、そこは期待してもらえると。笑

 一方で、Growth Business Groupについては、ユニットエコノミクスを改善していくことで、正しく利益を出せる土台を構築する。

 そして、その上で人が育つ環境にしていくことが大事なのだと思います。

ー なるほど。そのように考える背景には何があるのでしょうか?

西山

 2020年を振り返ってみて、管理職を増やしてから、メンバーを増やしていくべきだったという反省があります。

 さらに、この管理職を社内のメンバーから引き上げて、もっと積極的に登用すべきだったとも反省しています。

 だからこそ、社内で人をちゃんと育てることに改めて向き合いたいと考えています。

 

改めて、”人を育てる”ことにフォーカスしなければならない

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ー ”人を育てる”ことについて、どのように進めていく予定なのでしょうか?

西山

 まず進めているのは、マネージャーやリーダーを支援していく仕組みの構築です。

 やはり、どんな優秀な人でも、フォローせずにいきなりパフォーマンスを出すのは難しいですが、マネージャーやリーダーへのフォローが手薄だったので、ここは急いで強化を図ります。

 加えて、将来的に管理職を任せられるポテンシャルを持っている人を採用していくべきだと考えています。

 もちろん、マネージャーではなくスペシャリストの道を進むという多様性はあるべきですが、社内のメンバーが頑張る力学が働く仕組みを構築していきたいというのが意図としてあります。

 ベルフェイスに入社してから活躍してもらうことで居場所を見つけていただき、正しく抜擢できる文化にする。

 これらの仕組みの構築は、腰を据えて進めていきます。

ー そこでいくと、今年入社されたCxO陣へのフォローも必須な気がします

西山

 そうだと思います。

 実は、CxO体制の移行については以前から提言をしていました。

 やはり、権限移譲を進めた方が組織として効率的に物事を推進できると感じることは増えてきましたし、2020年のうちに移行ができて良かったと感じます。

 もちろん、色んなことを任せてもらうために全員が努力していく必要はありますが。

ー CxO同士の関係性についても伺ってみたいです

西山

 CxO陣の中には、直近で入社された方もいるので、ずっと一緒にやってきている私と比較すると、中島さんに遠慮する傾向はあると思います。

 ただ、そうならないように、今年の10月にバリューを変更して、率直にフィードバックを行うべできあると明言をしています。

 また、遠慮しない雰囲気を保つことが、私やずっと一緒にやってきた吉本さんの役割なのかもしれませんね。

 

性善説的な組織であり続けるために

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ー 西山さんの中で、ベルフェイスではこういう人が活躍できるという条件はありますか?

西山

 過去のインタビューでも答えたのですが、当事者意識というのは変わっていません。むしろ、この規模になったからこそ、より求められると思います。

 あとは、最近気づいた基準としては、「家族を大切にできる人」ですかね。

ー なるほど、、? よく分からないので、詳しくお聞きしたいです。笑

西山

 ちなみに、家族という言葉は、親や恋人など自分にとって大切な人と捉えてもらっても良いかもしれません。

 ベルフェイスはチームワークをとれない方には合わない組織です。

 もしかしたら偏見かもしれませんが、誰よりも身近な家族よりも仕事を優先する人は、仕事においても組織ではなく個人を優先しがちなのでは、という考えがあります。

 伝えたかったのは、ベルフェイスがバリューとして掲げる「Teamwork」や「Be honest」を普段の生活から実践できるような人と仕事がしたいし、まさにそういう人が活躍している会社である、ということです。ー 補足いただいて腑に落ちました。笑 最後に、来年の抱負をお聞かせください!

西山

 2021年のベルフェイスは、事業を拡大していくためには組織面にも力を入れていくことが求められる年になると考えています。

 これは個人的な想いになりますが、目指したい組織像は「ルールがなくても成果が出る組織」です。

 もちろん、CFOを務める土井さんのインタビューでもあったように会社として顧客を守るためにセキュリティ面などのルールは最低限設けるべきです。

 ただ、ルールの中だけで上手くやることを考える組織にはしたくありません。

 私は、ベルフェイスを性善説的な組織だと考えていますが、これを保っていくためにも、採用や社内の育成にちゃんと向き合いたいと思います。

ー 西山さん、お忙しいところありがとうございました!

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