2022.11.08

金融の世界からITスタートアップへ
業界の慣習を変える挑戦者

 2021年より、リテール営業や顧客接点における「電話約定システム」として、特に金融業界の課題解決を進めているベルフェイス。

 組織としても、金融業界のドメイン知識を持ったエキスパート人材が増えてきています。今回インタビューを実施した金融第一営業局マネージャーの一色さんもその一人です。

 今回は、一色さんのこれまでのキャリアや考え方を軸に、なぜ「今」ベルフェイスが金融業界にフォーカスし、エキスパート人材の採用を進めているのかを紐解くインタビューを実施しました。

 当社の中長期の方向性にも触れておりますので、是非ご一読くださいませ。

 

 

金融の世界で感じた”お客様本位な提案”に必要なこと

 

ー 最初に、一色さんの経歴を教えてください

一色さん

 大学を卒業後、新卒として大手信託銀行に入行をして、リテール営業を2年弱経験しました。投資信託や金融商品を個人投資家向けに販売していましたね。

 その次に、当時は定量的な分析を行う「クオンツ」になりたかったという背景があって、金融の大手情報ベンダーに移りました。そのため、どちらかと言うと金融機関のトレーディング部門やリサーチ部門向けの業務に関心があった時期になります。

 最初の頃はカスタマーサクセスとして、お客様のお手伝いをする形で関わっていましたが、よりお客様のデータに関する課題解決を支援したいという想いから、アカウントマネージャーとして営業職に転換しました。

 このアカウントマネージャーの経験が10年ほどと自分のキャリアの中では長く、お客様の金融データを有効活用するためのコンサルティングや、いわゆるエンタープライズセールスに従事していた時期になります。この辺りで、お客様のデータ活用が少しずつ変わっていった感覚を覚えています。

 

ー 当時、金融データの利活用はどのように変化したのでしょうか?

一色さん

 以前はトレーディングや投資銀行業務、またリサーチにデータを使うといった活用が多かったのですが、そこから派生し、リテール業務においてもデータの活用が進んでいました。

 この背景には、顧客接点チャネルのオンライン化が進み、特にリテール業務はマスのお客様向けにマーケットデータを含めた必要な情報を効果的に提供することに注力していった時期だったということがあります。

 そのため、オンライン証券やネット銀行向けのデータビジネスが伸びていて、私自身もかなり入り込んでいましたね。もともとリテール業務の経験があることに加え、リテールビジネス向けの提案も行っていたこともあり、個人投資家がどのようなデータを求めているのか、またどのようなコンサルティングを受けたいと思っているのかが分かっていたんです。

 そのインサイトをもとに、「マス向けにオンラインチャネルでデータ提供を行う」ことに注力して、大手オンライン証券会社様などを筆頭にデータコンサルティング営業を行っていました。これが情報ベンダー時代の主な経験ですね。

 

ー なるほど。情報ベンダー以降はどのような挑戦をされたのでしょうか?

一色さん

 ここまでで、金融データを活用したコンサルティングを経験してきたのですが、次は「リテールの営業員の方が、手元にあるデータを有効活用できているのか」という点に着目しました。ここは海外と比較した際に、国内ではまだまだ改善できる部分があるなと感じていたんです。

 証券会社ないし銀行の支店の営業員の方って、全国に何万、何十万人っているわけじゃないですか。ここの改善を進めることは、業界に対して非常に大きなインパクトがあるなと。そこに何か携われるソフトウェアはないかと探し、前職のソフトウェア会社に移りました。

 

ー 前職で、今のベルフェイスに近しい領域に挑戦されたんですね

一色さん

 そうですね。リテールの行員や各支店の営業員の方が「どういうお客様に、どのような商品を提案するべきか」ということを、ソフトウェアを使って把握、分析できるようなサービスを提供していました。

 ところが、実際に提案を進めていく中で、リテール営業の現場の方が主導で進めていくには、ITリテラシーの課題もあり難しかったですね。それよりも顧客にとって分かりやすい適切な提案方法をスキルとして習得していくことが重要であるとの考えにも至りました。

 こうしたタイミングでベルフェイスに出会い、サービスやプロダクトの方向性に共感をして転職を決意したという流れになります。

 

 

決め手は、金融業界への”インパクトの大きさ”

ー 最初の接点はスカウトでしたが、第一印象はどのようなものでしたか?

一色さん

 お恥ずかしながらヒラメ筋のCMのイメージが強かったです。笑

 プロダクトとして、オンラインの面談・商談ツールだという認識は合ったんですが、ZoomやWebexとの違いはあまり分かっていませんでしたね。そこから面談や面接を通して、ベルフェイスという会社やプロダクトについて理解を深め、最終的に入社を決めました。

 

ー 入社の決め手は、どこにあったのでしょうか?

一色さん

 すごく共感した点が3つあります。

 まず1点目は「リテール営業におけるお客様本位な提案ができる」という点でしたね。信託銀行でリテール営業をしている際に感じていたことに、お客様の数がとても多く、ある特定のお客様にしかご提案ができないという課題がありました。しかし、『bellFace』であればオンラインで多くのお客様と接点を取り、深いリレーションの構築ができるという部分から、よりお客様本位な金融リテール営業ができるサービスだなと思ったんです。

 2点目は、オンラインの商談ツールというだけではなくて、機能として「契約の約定まで」を備えているという点ですね。オンラインで商談を完結できるというのが、他のツールと比較しても先進的に進んでいるプロダクトだと感じました。

 最後に3点目ですが、「営業プロセスに関するデータ」をどの会社も持っていない中、『bellFace』であればそのプロセスもデータとして持つことができるという点に興味を惹かれました。前職も前々職も、顧客の各種データ分析に携わることがありましたが、営業行為が生じると要因分析が難しかったんですよ。

 なぜかというと、データとして持つことができない「営業プロセス」がそこには介在してくるからです。一方で、オンライン証券やネット銀行はデータ分析をすると有意な結果が出る傾向があります。なぜなら、お客様がご自身で判断され購入をするので「営業プロセス」が介入しないからなんですよね。

 となると、全国数十万人いる営業員の方の営業プロセスをデータとして蓄積しつつ分析可能とすることは、金融業界に対して大きなインパクトを与えることに加え、顧客満足度の高い提案の実施に繋がると確信したんです。

 

ー なるほど。入社後に実際取り組まれている内容も教えてください

一色さん

 前提として、withコロナによって、顧客のオンライン接客ニーズが高まっていることもあり、高齢者の方もスマホをキッカケとしてオンラインに慣れてきています。まずは金融業界で活用されるインフラになっていく必要があるので、顧客にプロダクトを理解いただき、定着することに目下集中している形です。

 踏まえ、オンラインで「商談から約定までできる」という機能を用いて、リテール営業員の方が生産性高く営業活動を行えるように、金融業界の顧客へ提案を進めることに注力しています。

 

 

お客様と共にビジョン実現を

ー 顧客へ提案していく中で、障壁となっていることはありますか?

一色さん

 障壁となる部分は大きく分けて2つですね。

 1つ目は、対面から非対面に営業プロセスを変えるため、顧客の会社全体向けにメッセージを出すなど、強い覚悟を持って改革を共に進めていただく必要がある点ですね。

 この部分まで我々がしっかり伴走し、顧客にもご理解をいただきながら進める必要があります。

 2つ目は、約定まで一貫して行えるシステムとなると、顧客側のオンライン営業プロセスを設計する必要がある点です。

 たとえば、証券会社は通話録音により証跡を取る文化があるため、電話の延長で大きく業務プロセスを変更する必要はありませんが、銀行は対面の各金融商品システムやインターネットバンキングを利用したりと様々です。そのため、どのように業務プロセスを設計するかがキーポイントとなります。

 

ー なるほど。直近でその障壁を乗り越え、導入まで至った顧客の事例などはありますか?

一色さん

 まず「営業プロセスを変える」という障壁についてですが、とある証券会社様での導入が良い例でした。

 リテール営業においてお客様との接点の数を増やすことで、顧客満足度の向上や成約数向上に繋がるということを方針として置いていただいた上で、対面での訪問には限界があることを共通認識として持っていただけたんですね。そして、『bellFace』を使って約定までオンライン上で完結させることを全社の号令として実施いただけたことが大きかったです。

 さらに、「お客様側のオンライン営業プロセス」を設計するという観点でも通話録音を証跡とし、法的書面についても電子交付を実現することで生産性向上に貢献できましたし、事務コストの削減にもつながっています。

 この事例は、ベルフェイスのビジョンや描いている世界線に共感いただき、顧客と伴走できている良い例だと感じています。

 もちろん、今後クリアにしなければいけない課題はまだまだありますが、最終的にはどの金融機関も「お客様本位な提案」ができる環境を整えていきたいですね!

 

 

金融リテール営業のインフラになるために

ー ビジョンの話もでましたが、中長期に挑戦していきたいことを教えてください

一色さん

 『bellFace』が金融機関のリテール営業における非対面チャネルのインフラになっていて、そこから得られる営業プロセスのデータを顧客が利活用できる状態にしていくことですかね。

 結果として、お客様本位な提案を多くの金融機関が実施できるようになり、引いてはお客様の利益の向上につながるというサイクルを実現したいと思っています。

 

ー その目標を達成するためには、今後どのようなメンバーの力が必要だと思いますか?

一色さん

 やはり、顧客となるリテール営業員の方、またその先にいる個人投資家の方々にとって、営業プロセスのデータ蓄積/分析が非常に重要かつ必要なことだと、理解・共感してくれる方と一緒に働きたいですよね。

 また、金融機関のリテール営業や金融機関向けエンタープライズ営業をご経験されている方であれば、肌感を持って課題解決に取り組みやすくなるので、経験という部分は必要になると思っています。

 ただ、一方で、ベルフェイスの今の事業フェーズとして、チームで業務を進めていくという感覚は強く持つ必要があるなと感じています。リテール営業特有の、個人の成果にフォーカスするのではなく、チームとしての成果を創出するために何ができるかを考えられる方が成果を出しやすい組織かなと。

 

ー なるほど。最後に、ぜひ一緒に働きたいと思う方々に対してメッセージがあれば教えてください

一色さん

 正直なお話をすると、今までの金融業界でのキャリアを手放してまで、違った領域に挑戦しようとする方は、多くはないと思っています。ハイキャリアな方であればあるほど、金融業界での経験を活かして、同じ業界内で活躍していく方がイメージとして湧きやすいのではないでしょうか。

 しかしながら、金融機関での経験や知見を活かして、社会に対してまた違ったインパクトを与えることができるのだということを、私のようなキャリアを歩んできている方々にも改めて伝えていきたいです。多くはないにせよ、きっと共感いただける方がいらっしゃると思いますので。

 まとめとして、『bellFace』は金融のリテール営業を変えていけるサービスです。そのため、金融業界でのリテール営業を経験されてきている方の知見や経験がより活かせる会社だと思っています。

 少しでもご興味をお持ちいただけた方は、是非カジュアルにお問い合わせいただきたいです!

 

ー 一色さん、ありがとうございました!

 

(写真:松田弘明)

 

 

※ベルフェイスでは、現在採用を積極的に行っています。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ以下の情報も参考にしてみてください。

ベルフェイス株式会社

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