2020.12.23

ベンチャー取締役からベルフェイスへ。2回目のCOOとして目指す 全体最適化の道。

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 CxO体制に移行を進めるベルフェイスですが、2020年12月1日より新しくGrowth Business Group(以下、GB)を統括するGB COOとして、過去にベンチャー企業での取締役も経験した澤口 玄氏が就任しています。

 そこで、新しくGB COOに就任した澤口さんに、「ベルフェイスにジョインした理由」「GB COOとして何を考えているのか」「組織全体として解決していくべき課題」を中心に、お話を伺いました。

 

ベンチャー取締役を経て、ベルフェイスにジョイン

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ー まずは、簡単なご経歴についてお伺いさせてください

澤口

 今日はよろしくお願いします。

 私は、もともと企業再生系のコンサル会社に新卒で入社して、4年くらい企業再生に関する業務に携わってから、M&Aを推進するコンサル会社に転職して、M&Aのアドバイザリー業務に従事していました。

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ー 元々は、コンサルとしてのキャリアを積まれていたんですね

澤口

 はい、最初にコンサルとしての経験を積めて良かったなと感じています。

 しかし、「もっと自分の会社のためになることをやりたい」という想いが強くなったことから、事業会社への転職を意識し始めました。

 そこで転職したのがケーブルテレビ業界最大手のジュピターテレコムでした。

 同社では、それまでのキャリアを活かせるM&A専門のチームに所属し、8年ほど在籍しました。同業他社の買収や提供コンテンツ強化のために映画会社の買収案件などを担当していました。

ー そこから、ベンチャー企業に転職するきっかけは何だったのでしょうか?

澤口

 大きかったのは、裁量を持ちつつ、もっとスピード感を持って仕事をしたいという気持ちですかね。

 そんな想いを実現できそうだと感じて転職したのが、BtoB向けのフードデリバリー事業を展開しているスターフェスティバルでした。

 創業から6年目の時期に入社したのですが、ちょうど資金調達を実施したタイミングということもあり、急速な事業拡大と複数の新規事業立ち上げを短期間かつ同時に行っているフェーズでした。

 当然ながら社員数も急増していましたし、新しい課題も日々出てきて、ボールが溢れてしまうことも発生しがちな状況です。

 この状況に対応するために、入社時は社長室として経営企画系のことをやっていたのですが、新規事業のマネジメントをやったり、バックオフィス側にも関わっていく中で、最終的には取締役COOとして経営に携わらせていただきました。

ー なるほど。ベルフェイスに興味を持ったきっかけはどこにあったのでしょうか?

澤口

 前職で『bellFace』の導入を進めたこともあり、ベルフェイスのことは知っていました。

 そこから、知人経由でベルフェイスを紹介いただいたことが、入社を考えた最初のきっかけです。

 自分自身のこれからを考えていく上で、今が転機のタイミングだなと感じていたこともあり、「まずは話をしてみよう」とカジュアルに代表の中島さんと面談したのを覚えています。

 経営陣やゼネラルマネージャー陣の皆さんとディスカッションを複数回実施させてもらいながら、お互いに見極める期間を設けさせてもらいました。

ー オファーを承諾した決め手は何だったのでしょうか?

澤口

 「ビジョン/ミッション」「プロダクト」「働くメンバー」の3つが私にとって魅力でした。

 これからセールスのあり方は変わっていくと考えていますが、『bellFace』は市場の当たり前となる可能性を持っています。

 また、バリューにも共感できましたし、何よりも一緒に働くメンバーの皆さんがバリューを大事にしながら働いていることが魅力的です。

 「この人たちと大きなことを成しえたい!」と思えたことから、ベルフェイスにジョインすることを決断しています。

 

社長室の立ち上げ。そして、GB COOへ

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ー ジョイン直後は、社長室の立ち上げからスタートされましたよね

澤口

 実は、面談している中で「どのポジションが良いのか?」という話題は大きな争点になりました。笑

 そこで提案したのが社長室の立ち上げでした。

 前職での経験から、今のベルフェイスのフェーズは様々な課題が発生するのが明白だったので、ここを埋める役割を作ろうという話をしました。

ー 社長室は具体的に、どのような課題を解決するのでしょうか?

澤口

 まず挙げられるのが、社長特命ミッションの推進です。その時によって優先事項は変わりますが、例えば、エグゼクティブ採用や大型提携関連、あとはマス広告などが挙げられます。

 他にも、重大な意思決定や新規事業構想の壁打ちや対外折衝といった社長が行う業務のサポートや、複数部門にまたがる業務やどの部署のミッションにも該当しない業務など、会社全体にかかわるプロジェクトの推進も担当しています。

 また、このフェーズでは部署間の連携を深めていくことが大事で、この観点から、全社的なデータ活用の最適化を推進するビジネスイネーブルメントチームも社長室に所属しています。

 最近だと、データドリブンな戦略構築や意思決定を全社的に推進していくことを目指した取り組みを行っています。

 具体的には、BIツール導入してのデータの可視化や分析精度の向上、工数削減の実現ですね。

ー そこから、今のポジションの打診があったのですね

澤口

 そうなりますね。課題として、代表を務める中島さんへのレポートラインが多く、CEOとしての業務もある中で、レポートライン個別でのマネジメントが行われていましたが、横串を通して管掌しきれていないことがありました。

 経営としても、組織が縦割りでの管理に寄っている課題感はありましたし、部分最適に陥っていました。

 だからこそ、組織に血をめぐらせるためにCxO体制に切り替えることを決めました。

 そして、そのタイミングでGrowth Business Groupを統括するGB COOの打診をいただきました。

ー 引き受けることに不安などはなかったのでしょうか?

澤口

 この部分は課題だと思っていたので、即OKの返事をしましたね。笑

 というのも、自分の中では「会社の成長に資すること」をやりたいという考えがあるからです。

 「何がやりたいですか?」と質問されることもありますが、自分がやりたいことは「会社を成長させること」で、そのために必要なことや足りないピースを埋める存在であり続けたいと考えています。

 もちろん、Growth Business領域のCOOは大きな責任はありますが、過去にも取締役COOの経験はありますし、やるしかないなと。

 今のベルフェイスは急激に成長していくフェーズですが、この経験は2回目なので、自分の経験を活かしていきたいと思います。

 

戦略を明確化し、グループに血を巡らせる

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ー GB COOの役割を教えていただきたいです

澤口

 Growth Business Groupは、従業員数1,000名未満の企業を対象として、マーケティング/インサイドセールスからセールス、受注後のカスタマーサクセスまでを包括的に実施しており、約140名のメンバーがグループに在籍しています。

 この領域を管掌するCOOとして考えることは多々ありますが、今一番フォーカスしているのがユニットエコノミクスの最適化です。

ー なぜ、ユニットエコノミクスへのフォーカスが大事なのでしょうか?

澤口

 事業を俯瞰してみて感じるのは、ユニットエコノミクスにまだまだ改善の余地があるということです。

 SaaSは適切な収益を上げ続けることで、利益を再投資することでプロダクトの付加価値を向上させ続けることが必要です。売上が立っても利益がなければ事業を運営できなくなります。

 特に、今年はCOVID-19によってベルフェイスを取り巻く市場環境が変化したこと、そのタイミングで資金調達を実施してマーケティング予算を投下したこともあり、2020年を振り返ってみると、激動の1年でした。

 おかげさまで、当社は直近は高い成長率を実現できていますが、この高成長は適切なユニットエコノミクスを維持していることが前提にあるべきと考えています。

 足元の状況を見ると、経営陣を含めた全員の視点がやや「成長率」に寄りすぎていた感があったので、あえてユニットエコノミクスの最適化にフォーカスしている背景があります。

ー どのように改善していくのでしょうか?

澤口

 この指標を改善するためには、ライフタイムバリュー(LTV)を向上させる、もしくは顧客獲得単価(CAC)を削減するか。この2つの要素にアプローチすることが大事です。

 特に重視しているのはLTVの向上で、1社あたりでの利用を拡大させていくことで顧客単価を上げつつ、顧客の成果に貢献していくことで継続率を高めていく必要があります。

 ちなみに、ユニットエコノミクスについては、全社員が参加するアップデート会で毎月数字を共有しています。

 まずは、Growth Businessに関わるメンバーが採算性と成長性を意識して行動できるように組織改善から始めています。

ー 組織のお話が出たので、Growth Business Groupの現状についてお伺いしたいです

澤口

 Growth Business Groupの良いところは、優秀なメンバーが多いということです。これはベルフェイス全体に言えることで、このフェーズのベンチャーと比較しても、やはり優秀だと感じます。

 私の役割の一つとして、優秀なメンバーに適切な役割と権限を渡して組織強化を図ることがあるので、ボトムアップで引き上げていこうと考えています。

ー 組織として改善していくべき部分はどこにあるのでしょうか?

澤口

 先ほども触れましたが、縦割りな部分はすぐに解消されるわけではなく、ここは改善をしていく必要があります。

 Growth Business Groupは複数のディビジョンで構成されていますが、それぞれがバリューチェーンで隣り合う機能なので、グループ全体で最適化を目指さなければなりません。

 そのためには、どういう方針で何をやろうとしているのかを各自が理解していくことが求められます。

 

組織全体に必要な”正しく伝わる”コミュニケーション

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ー どのようにすれば、全員が方針を深く理解できるのでしょうか?

澤口

 方針を決めていく際には、グループのCOOである私と各ディビジョンを統括するゼネラルマネージャー陣が最初に議論をするのですが、ここで決まった方針をグループ全体に伝えていく方法は、これから追究していかなければなりません。

 例えば、どの顧客層を狙っていくべきなのか、セールスとカスタマーサクセスの現場で意見が食い違っているということがありました。

 この問題に対して、現在は成功に繋がりやすい顧客にフォーカスするという方針をグループ全体で打ち出しています。マーケティングもここにフォーカスしますし、セールスも成功に繋がりやすい全社への導入提案を推進します。

 このように方針を統一することでディビジョンごとに血を巡らせていくことが、Growth Business Groupを設けた理由です。

 また、ユニットエコノミクスを最適化するなどの戦略を明確にすることで、事業を加速させていくことを狙っています。

ー これは、会社全体にも言えるのかもしれません

澤口

 そうですね。全体的に、発信内容の意図が正しく伝わらなかったり、解釈も立場によって変わってしまうということは発生していると考えています。

 100名規模から300名を越える組織に成長し、かつリモートワークが当たり前になった状況だからこそ、中島さんの発信内容が正しく伝わってなかったりすることもあり、これは解消しなければなりません。

ー どのように解決すべきなのでしょうか?

澤口

 大事なことは、発信された情報の意図や背景もちゃんと伝えていくことです。

 ただ内容を伝えるのではなく、議論の過程をオープンにしたり、伝える相手の立場によってどのような影響があるのかなど、最適化して伝えるコミュニケーションが必要です。

 例えば、中島さんの発信内容に対して、Growth Business Groupに対しては、COOとして私はこう考えていると明確にして、レイヤーごとに落としていくことが大事です。

 特に、マネージャー層はより情報を正しく発信していくことが求められます。

 

会社を支える事業にコミットし、自身の成長も目指す

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ー たしかに。正しく情報を発信することはより大事になっていきますよね

澤口

 ですね。情報を適切な粒度とタイミングで伝えていくことも大事なので、現在は経営会議を月曜日の午前に実施して、そこから各グループに伝える仕組みを整えたりしていますし、全社のアップデート会についても進め方を改善していこうと考えています。

 加えて、マネージャーやリーダーは不足しているので、社内から引き上げていくことはもちろん、それでも足りないので採用を進めていきます。

 ベルフェイスにとって今はチャンスなので、この波に乗るためにも優秀な方々を採用し続けていきたいです。

ー 採用という言葉が出ましたが、どのような人と働きたいですか?

澤口

 スキル面はもちろんですが、バリューフィットしている方がベルフェイスで活躍できると考えています。

 あと、非連続な成長過程にある環境に身を置いて、その人自身にも非連続な成長をしたいという欲求があると良いですね。

 規模は大企業にはかなわないですが、裁量をもってやりたい人には良い環境だと思います。

 なので、主体性は求められますし、オーナーシップを持ち続けられる人と働きたいです。

ー 最後に、今後の展望についてお伺いさせてください

澤口

 会社全体としては、大企業を対象とするエンタープライズ領域での事業規模拡大をより重視しています。

 とはいえ、世の中のほとんどの企業が1,000名以下の会社なので、この領域に対してどのように価値を提供していくのかが大事です。

 事業のベースとなる企業数を着実に増やしていくことが、底堅いビジネスをやっていくためには必要なので、ここにコミットしたいと考えています。

 また私自身も会社の成長に併せて成長していきたいです。会社の成長に私が寄与することで、結果として私も成長する。

 このループを継続していけるように頑張ります。

ー 澤口さん、お忙しいところありがとうございました!

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