ベルフェイスのコーポレートブランディングの一環として始まった、連載企画「ゼロからのバックオフィス構築物語」。
第6話をお送りするのは、コーポレートグループ経営推進Divisionの山﨑さんです。
本話では特に、コーポレートグループが初めて主催した社外セミナーの準備や舞台裏に着目した内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
はじめまして。ベルフェイスで経営推進Division 監査チームに所属している山﨑と申します。2020年4月に入社して、現在3年目を迎えました。
今回は、第5回の記事にもありましたように、コーポレートグループが外部の登壇者をお招きして、初めて手探り状態で社外向け個人情報保護法改正対応及びプライバシーガバナンスセミナーを開催するまでの道のりをお伝えしたいと思います。
※セミナーについては、こちらのリンクをご確認ください。
セミナー開催の背景
まず最初に、なぜ上述の個人情報保護法改正対応及びプライバシーガバナンスセミナーを開催するに至ったかについてお伝えできればと思います。
この前提としては、当社の顧客には金融業界のお客様も多く、セキュリティ、法令遵守、ガバナンス体制への意識が高いことが大きいです。特に、個人保護法改正対応、経済産業省様のプライバシーガバナンスガイドブックを参考にガバナンス体制を整えていることは特徴的だと思います。
しかしながら、もちろん、このようなガバナンス体制をすんなり構築できたわけではありません。
実際には、当社も体制を整える中でサービス展開や改善のスピード感とプライバシー面の考慮をどこまでやらなければならないかに関して苦慮しながらガバナンス体制を構築しました。このような苦労を乗り越えたことで、現在では安心して金融のお客様にもサービスをご利用いただいています。
このような経験もあり、「当社の経験を活かして世に役に少しでも役にたつことがしたい」「当社と同じような悩みを持つであろうスタートアップ支援が何かできないか?」といったことを考えていました。
そして、スタートアップ向けの勉強会に参加したり、関係者とお話するうちに、「スタートアップ向けに個人情報保護法及びプライバシーガバナンスに関するセミナーを開催したら、1人担当者も多く、他に相談もできない状態のスタートアップの担当者にとって何かの参考になるのでは?」と思い、実際にセミナーを開催することが決まっています。
セミナーの開催にあたって設定したこと
セミナーの開催にあたり、まずはやるべきことを以下のように洗い出してから、スケジュール決めから取り組んでいます。
- おおよその開催日の設定
- セミナーの聴講者の目標人数
- セミナー聴講対象者
- 開催および宣伝方法の模索
- 宣伝媒体の選択/決定、宣伝用バナーの準備
- 登壇者の選定
- 具体的な開催日時の決定
- オンラインかハイブリッドか、開催方法の決定
- 宣伝用バナー準備完了
- 宣伝媒体への出稿(宣伝文章の作成)
- 宣伝開始
- 当日のタイムテーブルの考案/決定
- 登壇者への登壇内容の詳細共有、登壇依頼
- 全体進行の台本(進行表)作成
- パネルディスカッション登壇者への質問をまとめ、回答を依頼
- パネルディスカッションの質疑応答の大枠の決定
- パネルディスカッションリハーサル
- 個別に各登壇者とのリハーサル
- 本番当日
おおよその開催日の設定
まず、7月はじめに開催にあたり9月26日~30日の間に実施しようというおおよその開催日を設定し、そこに向けて準備を始めました。一連の準備期間は約3ヶ月ほどになります。
セミナー申込み(聴講)者の目標人数設定
上述したように、本セミナーはスタートアップへの支援目的から開催を決意しています。そのため、労力をかけてせっかくセミナーを開催するのに、参加者がごく少数だとさみしく感じてしまいます。
そこで、セミナー開催の成果の目安としてセミナーの申込み(聴講)者の目標人数を「30名以上!」として定めました。
「なぜ30名なのか?」については正直なところ具体的な根拠はないのですが、私がメラメラとやる気をもって取り組める最善の人数だったと振り返ってみて感じています。
※対象となる方がそこまで多くないこともあり、この目標を定めたことで、担当者としては謎の焦燥感と闘う日々が始まってしまいましたが。。
セミナー聴講対象者の設定
セミナーの宣伝効果をあげるためにも、セミナーの内容をよりクリアにするためにも、セミナーの聴講対象者を設定しています。
今回は内容が個人情報保護法改正対応及びプライバシーガバナンスでしたので、スタートアップの法務及びセキュリティ担当者の方を聴講対象者としました。
開催および宣伝方法の模索
ここで、宣伝方法をどうするかが、ずしーんと頭に重くのしかかりました。
というのも、弊社には特に聴講対象者として設定した方々のリストがなかったからです。そのため、「対象となる方々にいかにお金をかけずにリーチ出来るか?」に思い巡らせました。
そして、聴講対象者のリストを持っていそうな企業や団体との共催でセミナーを開催し、宣伝は共催相手にお願いするという方法を思いつきました。
しかし、いくつかの企業や団体と共催の交渉をしたものの、回答は、共催は難しいというものでした。そこで、次に単独開催での宣伝方法を模索しました。
宣伝媒体の選択/決定、宣伝用バナーの準備および宣伝文章の作成、宣伝開始
初めてのセミナー開催であり、経験値に基づいてセミナーの内容がどれだけ訴求力があるのかを測ることができず、加えて、SNSだけでの集客に自信がないこともあり、自分たちでSNSの集客は行いつつも、集客までを請け負ってくれる宣伝媒体を探すことにしました。
いくつか宣伝媒体の方からお話をお伺いしましたが、最終的には弊社マーケティング部門の担当者に教えてもらった840万人が利用しているというセミナー・イベントメディア様にお願いすることにしました。
決め手としては、他社に比べて1人あたりの単価を安く集客をしてくれるということで、費用対効果の面を期待できたことが大きかったです。結果としても、当該企業様はユーザー数も多く、沢山の方にお申し込みいただき、目標設定人数に早い段階で到達することができ、私もホッとしました。
また、宣伝時に使用するバナーについては、当社で準備する必要がありました。そのため、他チームのデザインが得意な社員の協力も得ながら、数点他社のセミナーのバナーでこんな風にして欲しいという参考事例をもとに、いくつかのデザイン案を作成してもらい、その中で、候補になったものを社内、当該企業のご担当者様に見ていただき、協議の上、バナーを決定しています。
他にも、宣伝文章の作成にあたっては、セミナーの内容、魅力が伝わりやすいように「このセミナーで得られること」や「どのような方が何を話すのか」を丁寧に書くなど、出来る限りの工夫を行いました。
このような背景もあり、当該企業様のメディア内で宣伝開始後、はじめてセミナーにお申込みいただけた時は本当に嬉しかったのを覚えています。
その他には、当社のウェビナーページにもセミナー情報を掲載し、FacebookやTwitterなどで集客を行っており、こちらも、多くの方にお申込みしていただけました。
登壇者の選定、登壇の依頼
また、本セミナーを実施する上で悩んだのが、登壇者の選定や登壇依頼です。
登壇者の理想としては、「スタートアップ支援に積極的であること」、「個人情報保護法及びプライバシーガバナンスに造詣が深いこと」、「法務/セキュリティ人材からみて『この人の話を聴いてみたい』と思っていただけるような方であること」が挙げられました。
この点については、幸いにも以下の方々と面識があったこともあり、セミナーの概要をお話し、登壇をご快諾いただけています。
・岩田和親衆議院議員
スタートアップ支援に熱心に取り組まれている
・別所直哉様
元ヤフーにて、法務/政策企画/リスクマネジメントを執行役員として所掌され、個人情報保護法対応にも大変明るい
・淵邊善彦弁護士
西村あさひ法律事務所、TMIを経て、独立後スタートアップへハイクオリティなリーガルサービスの提供を行っている
また、欠かせない候補として、本セミナーの主題であるプライバシーガバナンスガイドブックを作成されている経済産業省のご担当者様も挙げられていました。
この点については、過去にプライバシーガバナンスガイドブックに関してお問い合わせしていたご縁からご担当者をつないでもらい、登壇をご快諾いただいています。
開催方法の決定
無事に、錚々たる方々にご登壇いただく手筈が整い、次にオンライン開催か、オフラインとオンラインのハイブリッド開催かを決定しています。
この開催方法については、は関係者一同、本当に最後まで悩みました。せっかくのスタートアップ支援のセミナーなので、できれば聴講に来てくださる方と、情報交換も兼ねて知り合いたい、オフラインで対話をできるようにしたい。
そう思う一方で、コロナ禍であり、当日会場に聴講者の方が数人しか集まらなかったらという懸念に加え、初めてのセミナー開催であることから、ハイブリット開催の時のカメラワークなど、はじめて挑戦することだらけで不安がありました。
最終的には、オフラインで開催したいという強い思いはあったものの、安定した状況で充実したセミナーをお届けするためにもオンラインのみでの開催を選択しています。
※次回はオフライン開催にも挑戦してみたいとは思っています。
セミナー準備/開催のノウハウについて
セミナー開催準備については、当社のマーケティング部が定期的にウェビナーを開催していたこともあり、何度もミーティングを重ね、準備として必要なことを教えてもらうなど、色々とサポートしてもらっています。
具体的には、過去の経験から得た事前/当日準備の情報、緊急事態への対処法に本当に助けられ、様々な事態を想定して対処法もレクチャーしてもらえたこともあり、想定しうる危険を潰しこみ、本番はほぼ不測の事態というものがない状態で臨めたと思います。
特に、マーケティング部から事前に準備するものとして勧められた進行表(何時何分に誰がどう話す、スライドはどれを使用するか、などを細かく記載したもの)や、台本(パネルディスカッションの質問事項、回答など)を用意したことが功を奏し、スムーズにセミナーを実施できたと感じます。
そこで、以降では、細かいノウハウの一部をお伝えできればと思います。
全体進行の台本(進行表)作成、パネルディスカッション質疑応答の作成
セミナーの概要を決めた後は、セミナーの詳細を具体的に決めていきました。進め方としては、まずは全体の流れを作成し、その後に「何時何分に何を話す」など、事細かに台本に記載をしていきました。
また、パネルディスカッションの内容を本番ぶっつけで行うのは不安が残ります。そのため、想定質問を作成し、回答者に事前に回答いただくことで、質疑応答としてのある程度の形を事前に決めておきました。
セミナーのリハーサル
大事な準備として欠かせないのが、リハーサルです。
特に、パネルディスカッションはオンラインで5名で実施することもあり、事前に質疑、回答の趣旨は台本に落とし込み、順番に適切な登壇者にご回答いただける形式にすることで、登壇者のノウハウを余すことなくお伝えできることを目指しました。
セミナー当日について
セミナー当日は聴講者の方から多くのご質問もいただけたり、上手くまとまった良いセミナーを開催できたのではないかと自負しています。
※当日の様子については、こちらに掲載しておりますので、是非お読みいただければと思います。
一方で、反省点としては、素晴らしい有識者の方々に登壇をお願いしたのに、設定したセミナーの時間が1時間と短く、全体的に駆け足になってしまったことが挙げられます。
タイムキーパーが、Zoomのチャットで容赦なく「あと3分です!」「あと1分です!」とお声がけしていたのですが、後からお伺いしたら登壇者の方は資料を共有しているため、そのチャットに気づかなかったというお声もありました。
次回以降は、強力なお知らせ方法を考案したいと思います。
最後に
ご協力いただいたすべての皆さまのご協力がなければ無事にセミナーを開催できなかったと思います。
セミナーの開催にご協力にいただいた皆さまに感謝し申し上げるとともに、聴講いただいた皆さまにも感謝申し上げます。
※ベルフェイスでは、現在採用を積極的に行っています。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ以下の情報も参考にしてみてください。