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ベルフェイス代表の中島がPIVOT CXO School DAY2に登壇し、『スタートアップCEOが本当に欲しいCXOとは?』について語りました。
その内容をサマリーで公開いたします。
中島
『スタートアップCEOが本当に欲しいCXOとは?』というタイトルですので、弊社の経営体制の変遷、そして、その良かったところと、上手くいかなかったところをお話したいと思います。
現在の経営体制
中島
現在の経営体制は、私がCEO、その下にCOOとCFOという体制になっています。
COOがプロダクトグループとビジネスグループの両方を管掌しています。
現体制はかなりうまくいっていると感じています。
ですが、この経営体制に至るまで様々な変遷がありました。
創業期のシリーズA・B、やることは「売る」「つくる」
中島
2015~2016年頃、現COOの西山も当時はただの営業部長。
「CXOってなんだろう?」という状態で、資金調達も知人に業務委託でサポートを受けながら実現しました。
よかったのはトップダウンによる経営判断のスピード。創業期なんてそんなもんだろうと、突き進みました。
創業メンバーには「営業面で信頼できる人間」と「多少の無理も頼めるエンジニア」を引き入れました。
創業期にやることはプロダクトと売上をつくること。つまり、売れる営業と、アイディアを形にできるエンジニアがいれば起業できる。管理系については後からでいいと考えました。
- どのように能力を見極めたのでしょうか?
中島
経歴や面接だけでは見極められません。私はエンジニア出身ではないので、特に開発のスキルを面接で判断することは不可能です。
ですので、開発は業務委託でもいいからお金を払って小さなものをつくってもらって見極めました。一緒に仕事してみて見極めるしかないです。
低迷したシリーズC、ダブルCOO制度で意思決定のスピードダウン
中島
このシリーズでIPO経験のある土井と、DeNAで豊富な経験をもつ山口がジョインしました。
同時に、急激に拡大する組織をマネジメントするためにダブルCOO体制を採用しました。
まず良かった点は、CFOが体制に加わったこと。
私とも連携して、大型の資金調達を実現できましたし、同時に管理系業務の権限委譲もできました。
一方で、ダブルCOO体制を敷いたことにより元の想定に反して、意思決定する人が不明確になってしまい、スピード感を損ねる結果となりました。
また、当時の市場環境の変化が重なったことも含めて、PIVOTさんの動画で取り上げていただいたようなハードシングスを経験したのもこの経営体制のときです。
明確にCPOを置いたのはこの時がはじめてだったのですが、ハードシングスにおいて自身がプロダクトに口を挟めないことは歯がゆかったです。
ですが、シリーズB以前のやり方を経てハードシングスに突入してしまった訳なので、「自分自身のやり方が間違っていたのではないか、専門のメンバーに任せた方がいいのではないか」と自問自答しながら任せていたことを覚えています。
- CXOをアサインする適切なタイミングはいつだと考えますか?
中島
正解はないですが、社長の適性によります。
CEOは得意なことにフォーカスしてCXOに苦手な領域を補完してもらう、それが強い組織につながると考えています。
私の場合は、新しいアイデアを考えて、売って、立ち上げることが強み。一方で、マネジメントは得意ではありません。
CEOの弱みを補完するチームが必要と感じたときが、適切なタイミングではないでしょうか。
- 一般的に言われる「30人、50人の組織規模の壁」は感じていましたか?
中島
感じていませんでした。振り返るとそのフェーズは成長がすべてを隠していたのだと思います。あらゆる組織の問題が、成長していることで気になりませんでした。
ということは事業が停滞していたら、あらゆる組織の問題が顕在化してしまう。
そしてハードシングスを経験しました。
金融業界に特化したシリーズD、売上4.4%から可能性を見出した
中島
西山にCOOを任せて、私が自身の強みである新規事業立ち上げに集中できる体制ができました。
具体的にいうと、弊社がフォーカスしている金融領域を攻めていくにはビジネスグループとプロダクトグループの連携が不可欠です。ですが、先程述べたように私はそういったマネジメントが苦手。そこを任せられていることで、うまく事業が進捗していると感じています。
- COOの役割をどのように定義していますか?
中島
明確にCEOとCOOの役割は異なります。CEOは「WHY」を語る人、COOは「HOW」を語る人。
逆転することはまずないでしょう。
- PIVOTするマーケットで意識したことなんでしょうか?
中島
これから明らかに成長するマーケットで勝負すること、そして自分がその課題解決に意義を感じることです。
”このマーケットであれば2、3年以内にナンバーワンになれる”と言えるくらいマーケットは絞り込む必要があると思います。
■PIVOT CXO Schoolとは
ビジネス映像メディア「PIVOT」が主催する、「最高峰の学びのコミュニティ」。
CEOのみならず、その右腕となって経営を担っていくCXOポジションに欠かせない「経営の視座」を学ぶ。
講師はスタートアップを中心に、今最も旬で実力を兼ね備えた現役CXO・部門責任者が就任。受講生は各CXOを目指す、20~40代の現役ビジネスパーソン。
座学はもちろん、実践形式での「ピッチコンペティション」、受講後の「キャリア形成」までサポート。
https://pivot.inc/cxoschool/
『スタートアップCEOが本当に欲しいCXOとは?』 登壇レポート https://bs.bell-face.com/2023/05/29/2023052901/