2020.12.21

新CTO山口が考える。ベルフェイスが抱える課題と目指すべき開発組織の姿

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 CxO体制に移行を進めるベルフェイスは、2020年12月1日に新CTO(Chief Technology Officer)として 山口 徹氏が就任したことを発表しました。プロダクトカンパニーを目指すベルフェイスにとっては、新CTOを中心に開発組織を強固にしていくことが必須要件です。

 そこで今回は、新しくCTOに就任した山口さんに、「なぜベルフェイスにジョインしたのか」「どのような課題を解決していくのか」「どんな人と働きたいのか」を中心に、お話を伺いました。

 

技術顧問として、ベルフェイスに関わり始める

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ー まずは、山口さんのご経歴をお伺いしたいです

山口

 今日はよろしくお願いします。私は、元々はバーテンダーをやっていたのですが、25歳で椎間板ヘルニアを発症したことをきっかけにエンジニアの道を進み始めました。

 これまで色々な会社で働いてきましたが、開発からR&Dなど幅広く関わっていく中で、ソーシャルネットワークや分散SNSに興味を持ち始め、「これからの世界はモバイルだ」と挑戦したのが、前職となるDeNAでした。

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 前職では、『Mobage Open Platform』の開発責任者やシステムアーキテクトの専門役員、スポーツ事業本部のシステム部長など、会社から求められることに対して、愚直に向き合ってきました。

 他にも、大手ゲーム企業とアライアンスを組んだ際に、ゲームシステムのバックエンド開発のリードをしたりとエキサイティングな経験もさせていただけました。

ー 個人としても、お仕事をされていますよね?

山口

 はい。自分の経験が他社でも通用するのかが気になり始めたのをきっかけに、個人事業主としての仕事も始めました。2020年からは法人化しており、現在進行中で動いていますね。

 パラレルな働き方に挑戦してみたかったということもありましたし、技術者出身の企業を立ち上げて技術経営の支援を行うことも考えていました。

ー どのような経緯でベルフェイスとの接点があったのでしょうか?

山口

 知人からの紹介で、代表の中島さんから相談をいただいたのが最初の接点でした。システムにおけるリスク観点に関する相談だったかと思います。

 気づいたら多くの相談を受けるようになり、技術顧問としてベルフェイスと関わり始めました。

 

技術顧問から新CTOとしてベルフェイスにジョインした理由

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ー ベルフェイスに関する印象はどうでしたか?

山口

 技術顧問として、細かく調査を進めていったのですが、「良いプロダクトだけど、改善の余地がある」と感じたのが、当時の率直な感想です。

 加えて、プロダクト開発の前提となる組織に関しても、解決していくべき課題があるなとも感じました。

 なので、中島さんには率直な課題感を伝えたり、このように改善していくべきだというお話をしていましたね。

ー そこから、新CTOとしてオファーがあったと

山口

 技術顧問として関わりを深めていくなかで、しだいに経営視点で技術的な目線が欲しいとなった時には、自然と呼ばれるようになっていきました。

 また、開発部門をマネジメントしているゼネラルマネージャーの2人と定期的に1on1もやっていましたし、CxO陣ともご飯に行くようになりました。

 個人的には、そこで信頼関係が高まっていくのを感じましたね。

 こういった背景から、新CTOとしてオファーをいただたのですが、自分自身としても新しい道に進む決断をする時だと感じており、オファー受ける際の条件も満たしていたので、ベルフェイスの新CTOに就任することを決断しました。

ー 条件はどのようなものだったのでしょうか?

山口

 一つは、これまでコンシューマ向けのサービスに多く携わってきたので、BtoBのビジネスに関わりたいという想いでした。

 特に、BtoB SaaSのビジネスモデルには興味がありました。このモデルは、成功を科学的に分析できる領域でもあるため、BtoB SaaSを実践した体験を得たかったというのは大きいです。

 加えて、急成長している企業の経営に関わりたかったというのもあります。

ー この条件は他の選択肢も浮かびますが、なぜベルフェイスだったのでしょうか?

山口

 ベルフェイスを選んだのには2つの要素がありました。会社のビジョンに共感できたこと、そしてCxO陣を信頼できたことの2つです。

 特に、CxO陣と建設的な対話が行えてきたことは、入社を決断した際の大きな安心材料でした。また、1on1を行っていた開発部門のゼネラルマネージャーの2人も優秀で信頼できる素敵な方々です。

 なので、ベルフェイスの新CTOとしてジョインしようと決断に至りました。

 

ジョインして感じた、解決していくべき課題

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ー ジョインしての率直な感想をお伺いしたいです

山口

 やりがいは感じつつ、忙しいなとは思っています。笑

 あと、想定よりも良いギャップを感じることが多々あります。単純にベルフェイスには優秀な人が多いと感じます。

 もちろん課題もありますが、それなりの覚悟を持って入社しているので、想定内といったところです。

ー なるほど。ちなみに課題に感じるのはどのような部分でしょうか?

山口

 組織における情報流通ですかね。急成長しているスタートアップらしく、スピード感が早く、多くの情報が飛び交っています。

 ただ、意識をしないと俯瞰的な目線で会社の動きを見れなくなりますし、情報の渦には巻き込まれていけないなと感じています。 これは私自身が渦に巻き込まれたこともあり、自戒を込めた発言です。笑

 なので、情報の確実性をもっと担保していきたいですし、粒度や量を適切にしていきたいと考えています。

 そのためにも、組織におけるエンジニア比率を高めていく必要があると感じます。

ー この課題に対して、山口さんはどのように向き合っていくのでしょうか?

山口

 個人のスタンスとしては、組織の課題に対してプロダクトマネジメントのイメージで捉えています。

 課題を解決するためには、どの要素がコントロールできて、要素を変化させると、どのように組織に作用していくのか。

 この流れを意識するようにしていますし、組織はシステムそのものだなと感じます。

 初めてのアプローチにはなりますが、楽しみながらやりたいですし、アーキテクトとしての経験を活かして取り組みたいと考えています。

 

メリットを信じて、より効率的な組織を目指していく

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ー 直近で一番注力していることは何でしょうか? 

山口

 ベルフェイスは1月~3月が最終クオーターなので、そこにフォーカスして話すと、プロダクトロードマップを実現させるのが一番のミッションですし、ここはマストです。

 その上で、開発組織における環境づくりを推進したいと考えています。

ー どのような方向性を目指していくのでしょうか?

山口

 いわゆる心理的安全性がより高い組織を実現することで、今以上のコミットメントを引き出せる開発組織にしたいと考えています。

 加えて、開発組織全体のスキルアップも図っていく必要があります。

ー 具体的には、どのように取り組んでいくのでしょうか?

山口

 今から話すことは私案にはなりますが、アプローチとしては組織をリーンかつアジャイルにしていきたいと考えています。

 開発の確実性を高めるために、段階的にサイクルを回していけるように進めていく予定です。

 また、開発はふわっとした構想からプランニングを行い、仕様を決めて実装していくことで具体化していくものですが、必ず当たるという保証はありません。

 だからこそ、きちんとPoCを通して検証を行い、成果が見えて初めてプロダクトに組み込まれるべきです。

 この過程を正しく踏めるフローにしていくことも検討しています。

ー この方向性を実現していくために、組織はどのように変わるべきなのでしょうか?

山口

 こちらの記事でも言及されているように、ベルフェイスはプロダクトマーケットフィットを改めて行うフェーズにいますが、様々なプロジェクトが生まれて、消えていくことが想定されます。

 私は、プロダクトは維持向上するものプロジェクトは終わらせるものだという考えを持っているのですが、現在の開発組織はプロジェクト型に寄っていると感じてます。

 しかし、プロダクトの価値を高めるためには、プロダクトロードマップの実現以外にも技術的な部分、例えばIDの持ち方を刷新したり、フレームワークの載せ替えも進めていくことが求められます。

 だからこそ、開発組織を職能型や機能別で再編して、開発組織として開発運用をしていくためのリソースを確保することが大事だと考えています。

ー どの組織形態にもメリットとデメリットの両方がありますが、その点はどのようにお考えでしょうか?

山口

 もちろん、私が推進しようと考えていることはメリットもデメリットもあります。

 しかし、私はメリットをとりたいと考えています。繰り返していく中で、より効率的な組織を目指していくしかないですし、過去もそうでした。

 例えば、スクラム開発を浸透させていきたいと考えていますが、一般的にこの手法はエンジニアにとって負荷が高いものです。

 それでも、今の組織には必要ですし、イテレーションのフレームワークは取り込んでいきたいし、マネジメントにも応用したいと考えています。

 ただ、私にはスクラムに関しては知見がそこまでないので、ここはみんなで勉強していきながら進めたいですね。

 

新CTOとして目指していきたい組織のカタチ

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ー 新CTOとして、どのようなビジョンを目指していくのでしょうか?

山口

 会社全体のプロダクト戦略と関わってくるので、現状で発言できる範囲でお伝えしますね。笑

 『bellFace』はBtoB向けのシステムなので、全体としてより手堅くしていきたいし、すべきだと考えています。

 また、BtoB SaaSというビジネスモデルは、外部のサービスと連携していくことでプロダクト価値を高めることが大事です。

 なので、他サービスと連携しやすい仕組みを作ることにも取り組んでいます。

 加えて、スタートアップは、全てを自分たちで作れるほどリソースが潤沢ではありません。

 なので、『bellFace』としてのコアコンピタンスを決めて、どこを自分たちで作り込むか、どこをアウトソースするのかを明確にすることも大切で、ここはちゃんと決めていきます。

ー 山口さんご自身としては、ベルフェイスで何を実現したいとお考えでしょうか?

山口

 自分の実力がどこまで通用するのかを知りたいです。

 私は、自分がデザインした通りに物事が動く瞬間に一番の喜びを感じるのですが、今回のチャレンジのスコープである組織とプロダクト全体に対して、自分のデザインがうまくいくことを実証したいですね。

ー プロダクトでいくと、現在CPOやPMを募集していますが、どんな人が向いていると思いますか?

山口

 プロダクトマネジメントトライアングルで考えると、エンジニアリングは頂点の1つでしかないので、深く連携していくことが求められると考えています。

 ベルフェイスでプロダクトマネジメントに責任を持つのであれば、幅広く一定の理解がある人であることが望ましいと思いますし、プロダクト開発のプロセスにおける深い知見を持っていて欲しいですね。

 具体的には、システムや開発プロセスへの理解や、開発以外に求められるプロダクトマネジメントの要素の知見。

 加えて、開発方法論だけでなく、開発手法やツールにおいてもモダンなアプローチができる人が望ましいです。

 理想としては、プロダクトマネジメント全体を通じて、前段階のアウトプットを次のプロセスにとって良いインプットになるような視点を持てる人だといいのかな。

 あとは、中島さんと臆せず議論できることも大事ですね。笑

ー 最後に、どのような方がベルフェイスに合うのかお聞きしたいです

山口

 BtoB領域はエンジニアにとって魅力が薄いものでしたが、最近は上場する企業も多いことから、少しずつですがBtoB SaaSに移行している人が増えてきています。

 なので、前提として、そういった感度があって、BtoB SaaSに興味があるということが前提にはなるかと思います。

 他にも、例えば、SIerで働いている方で、コンシューマ向けサービスにいきたいけどワンクッション置きたいという時に、一旦コンシューマ向けサービスに近いBtoBサービスに携わるというのもありかなと。

 そのうえで、技術は手段の一つとして捉えて、実現に必要なテクノロジーにフォーカスできることが大事だと考えています。技術にこだわるというよりも、実現にこだわって欲しいという想いがあります。

 あとは、カオスを楽しめる人かも問われると感じます。ここはちゃんと伝えておきたいですね。

 もちろん課題は多いですが、今のフェーズのベルフェイスにジョインすることは、変化の意思決定に深く関われますし、そこに対してイニシアチブもとれます。

 これを楽しめることは必須条件です。

 『bellFace』というプロダクトの価値を高めるためには、開発組織からもっと物を申さなければいけないので、人数比を超えていける組織を一緒につくっていけたらなと考えています。

ー 山口さん、お忙しいところ、ありがとうございました!

 

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