2022.06.29

”WHY”から始まるプロダクトマネジメント 組織の意志をまとめるキーマンの想いとは

 ベルフェイスの社員が最も大事にし、体現を目指す6Values。

 「For Customer」「Focus」「Think Different」「First Move」「Be Honest」「For Friends」の6つからなる、私たちが「こんな人と一緒に働きたい」という基準でもあり、ベルフェイスのハイパフォーマーには欠かせない要素です。

 カルチャー|ベルフェイス株式会社【公式】

 その6Valuesについて、ベルフェイスではクオーターに一回、最もバリュー体現をした人は誰か、全社員から投票を集めクオーターMVPの表彰をしています。

 今回は2021年度4Qにて全社MVPを受賞された野口さんのインタビューを実施しました。

 テクニカルプロダクトマネージャー(以下:TPM)としてプロダクト開発の指揮をとる野口さんに、受賞の背景やプロダクト組織について伺いました。

 

 

単純なディレクションではなく熱量を伝播させる

ー 野口さんの簡単な経歴を教えてください

野口さん

 ベルフェイスに入る前はB2B展示会事業を運営する企業にて、制作物全般の制作およびディレクション、現場運営やスケジュール管理を主に担当していました。

 以前お世話になっていた方が先にベルフェイスへ入社していて、その方のリファラル紹介という経緯でベルフェイスへ転職しました。入社後に初めて、Webサービスに関わるプロダクトマネジメントおよびプロジェクトマネジメントに挑戦をした形になりますね。

 

ー 業務内容を教えてください

野口さん

 役割としてはTPMを担っています。フェーズやタイミングによって若干やることは変わるのですが、メインとしては新機能追加や既存機能の拡張をする際に旗を振る役割ですね。全体のスケジュールを策定し、要件定義から実際の仕様決め、開発チームとの折衝、QAの確認、リリースまでを一貫して調整する事がメインの業務内容になります。

 このポジションは単純なディレクション業務ではなく、プロダクトマネジメントの観点を持つ必要があるため、「何のために」開発を進めているのかを関係各所に伝えることが大切だと考えていますね。

 

ー ちなみに、プロダクト開発を進める際にはどのようなポジションの方が関わるのでしょうか?

野口さん

 大まかな流れとしてはプロダクトマネージャー(以下:PM)が市場調査やユーザーインタビューを通じてプロダクトや機能の骨子を作り、その骨子をもとにTPMがデザイナーやエンジニア、QAと連携を取って開発を進めていくイメージです。

 直近リリースに携わった「写真撮影機能」もお客様の課題を解決するため、関係各所の意見やスケジュール調整をしつつ「何のために」を意識しながら開発を進めていました。

 

ー なるほど。「写真撮影機能」はどんな流れでリリースに至ったのでしょうか

野口さん

 実はこのプロジェクトには途中から参加したんです。ただ、前任の方から引き継ぎを受けた段階では、スケジュール感もあまり見えていなかった状態でしたね。プロダクトロードマップとして、2022年3月中旬を目処にリリース予定であることだけが決まっているという感じで、プロジェクトの企画が立ち上がった当初は、そこまで期待値の高い機能ではなかったんです。笑

 そこでまずは、PMである大歳さんと連携をとって、コアバリューとなる提供価値仮説の整理を行い、検証できる最小限のソリューションを見立て、の手元で開発チームのリソースを加味し現実的な開発スケジュールを組んでいくことから始めました。

 そして、開発フェーズを進めていく中で、見立てたソリューションの方向性から対象となるユースケースの明確化を行っていきました。そうして機能がもたらす価値と利用シーンの解像度が高まると、社内外ともに期待値の高い機能になっていったんです。そのため、プロジェクトメンバーとその温度感を共有し、途中からスケジュールを仕切り直して、如何にお客様へのアウトカムを最大化できるのかということに注力しました。

 結果として、新規のお客様への試験導入が進んでおり、新たな市場の開拓にも繋がる重要な機能がリリースできたと感じています。

 

 

一体感のあるモノづくりをするための仕組みを

ー 2021年度4Qのバリュー賞MVPを受賞されましたが、特に心がけたことは何ですか?

野口さん

 TPMというポジション柄もありますが、何をするにしても一人で決断しないことです。できるだけ関係者の意見を聞く、巻き込むということは常に意識していました。

 例えば、一般的な開発ディレクション業務だと「旗を振る人が仕様を決めてデザイナーの方々へ依頼を進める」というケースが多いと思いますが、ベルフェイスでは仕様に関してもデザイナーとTPMが一緒になって決めるんです。しっかりと打ち合わせの時間を確保して「どんな仕様であれば最終的なお客様へのアウトカムが大きくなるのか」を念入りに調整しました。結果として満足のいく、こだわりのある機能開発ができたと思っています。

 これは個人的な考えですが、せっかくモノづくりをしているのだから皆が一緒に作ってる感を出したいんですよね。だからこそ、様々な意見をヒアリングしていきつつもTPMが方針を提示し続けることで、エンジニアやデザイナー、QAの皆さんが自発的に動けるような組織づくりや仕組みづくりを徹底しました。

 

ー なるほど。エンジニアの方々とのコミュニケーションでも意識されたことはありますか?

野口さん

 そうですね、やはり意見を多くヒアリングするという観点から「仕様を考えた段階で、エンジニアリング観点のレビューをもらう」ということを意識していました。

 根本となる方針の部分はもちろんぶらさずに、セキュリティやコスト、品質管理といった部分も含めて意見をもらっていましたね。なるべく早い段階でエンジニアやQAの方々の意見をもらうことで、開発の後戻りや無理なスケジューリングをしないように心がけています。

 

ー エンジニアとの連携が早いんですね

野口さん

 そうですね。実はこのように早い段階で意見をもらうようにしたのは、きっかけがあるんです。「写真撮影機能」のプロジェクトにアサインされた当時、私自身が焦ってしまいスケジュールを早めに立てようとしてしまって。結果として、その動きが開発現場からすると一方通行な進め方に見えてしまい、不満の声がいくつかあがっていたんです。

 その時、EMが1on1の場を設けてくれて、現場の意見や雰囲気を真正面から、私の立場を慮った上で伝えてくれたんです。そこから私自身も腹を割って、考えや意見をチームメンバーの皆さんと共有し、フィードバックをし合うことができるようになりました。

 結果として、「For Friends(チームに貢献する)」をより意識することになったのですが、今回のプロジェクトから改めて学んだことがあります。それは当たり前のことですが、チームのために、組織のために動けば動くほど、逆に周囲の方々からフォローしてもらえたり、プロジェクトを進めるために協力してもらえるということです。

 プロジェクトが完了した段階で振り返りの場も設けましたが、デザイナーやエンジニアの皆さんから積極的に意見をもらいました。今回のバリュー賞受賞のコメントでも、様々なコメントをもらえて、また良いプロダクトを作っていきたいと思えています。笑

 

 

”何のために”を意識したキャリア形成

ー 今後挑戦していきたいことを教えてください

野口さん

 第一に考えていることは育児と仕事の両立ですね。ベルフェイスはフルリモートかつプロダクト開発部門のメンバーは裁量労働制なので、私のように育児をしながらチャレンジングな業務をしたい人にはマッチしていると思います。笑 また、育児中のメンバーも多いので、周囲の理解も得やすいというのは本当に助かっています。

 キャリアとしては、より技術的な知識を身につけていきたいですね。私はもともと営業企画寄りのキャリアだったこともあり、ビジネス側の観点を持っていることはプラスなのですが、エンジニア畑出身のプロダクトマネージャーと比較すると、対応スピードが遅いなと感じています。

 特に、障害対応など初動の速さが重要なシーンでは、知識を身につけてエンジニアとの連携をスムーズにできることで、対応速度が上がりお客様への影響を最小限に抑えられると思っています。

 結果として、技術的な知識を身につけることのゴールが、社内向けのアウトプットを向上させるだけではなく、お客様へのアウトカムを大きくさせることに繋がるようにしたいですね。6Valuesで言うと「For Customer(顧客にベストを尽くす)」をより意識して、それを実行に移していきたいと考えています。

 

ー お客様のサクセスを軸に、キャリア的な目標を決められているんですね

野口さん

 そうですね。そのため、プロダクト組織の独りよがりな開発にはならないようにしていきたいと思っています。PMとビジネスサイドのプリセールスが互いの組織のブリッジ役を担ってくれていますが、TPM起点でも連携は意識していきたいです。

 直近のプロジェクトでは、本格的な開発を進める前にビジネスサイドへ新機能のデモンストレーションをする工程を入れていました。デザイナーやエンジニア、QAとは違った軸で、よりお客様の業務環境やユースケースを意識したフィードバックをもらうこともできますし、ビジネスサイドとプロダクトサイドの目線合わせができるので良い取り組みだと思っています。

 TPMの役割として巻き込むことが多いのはデザイナー、エンジニア、QAの方々ですが、会社全体でお客様のサクセスを作ることに集中できる環境にしていきたいです!

 

 

同じ方向を向いた筋肉質な組織へ

ー プロダクト組織メンバーの特徴があれば教えてください

野口さん

 よく感じるのは「皆で作り上げていくことが好きな人」が本当に多いということですね。さきほど、私自身の失敗談もお伝えしましたが、一人の都合や考えでプロダクト作りを進めることは好まれず、ちゃんと話し合い、その先のアウトカムが明確であることが好まれる印象です。

 論理的思考であったり、高い技術力といった部分はもちろん大事ですが、全員が同じ方向を向けているかどうかといった根本の部分を特に大事にしているのかなと思います。

 

ー 野口さんが一緒に働きたいと思う人はどんな人ですか?

野口さん

 ベルフェイスのメンバーは入社時にストレングスファインダーを受けているのですが、私は上位の資質に「調和性」「アレンジ」が入っています。柔軟に合意点を探り、物事を整理した上で組織化することに強みを持っていると解釈しているのですが、この強みをもとに「独りよがりにならず、様々な観点で意見を出してくれる人」と一緒に働きたいなと思いますね。

 ベルフェイスのカルチャーとしてもそういった方がマッチするということもありますし、互いに補完し合うことができれば、より筋肉質な組織になるなと感じています。

 なので、逆に言うと自分で全部決めてしまいたいという方は、ベルフェイスとはアンマッチになってしまうかもしれませんね。違う志向性や考え方を持った組織であれば活躍するフィールドはたくさんあると思いますが。

 私自身、もっとスキルや知識の幅を拡げて、様々な特性を持った方を巻き込み、一つのゴールに向かうことができるように成長していきたいです!

 

ー 野口さん、ありがとうございました!

 

 

写真・松田弘明)

 ※ベルフェイスでは現在採用を積極的に行っております。ご興味のある方は是非、以下情報もご参考いただけますと幸いです。

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